神戸周辺 不動産売買百景(7) ある不動産会社社長の奥様の涙
2021/01/31
2年ほど前、明石のあるエリア限定で土地を探されているお客様がおられました。
そのエリアは、物件が出ないことは周知されていましたが、お子様の学校区の兼ね合いで
もう3年探されていたのです。
そこで、私の日常業務の「地回り」といって地元の業者さんを片っ端から当たり1つの情報を入手しました。
「〇〇不動産の社長の家が売りに出るらしい」その情報をもとにお伺いすると、老朽化が進み近所で新築を建てられ、元のお家を解体して売却するとのことでした。
すぐさま、買主様に連絡し、すぐに契約の運びとなりました。
解体しての引き渡しでしたので、夏の炎天下に2週間かけて解体してもらいました。
解体翌日に事務所に伺うと奥様が目を真っ赤にされていたのです。
「昨日まで、解体撤去工事ありがとうございました。ところで奥さん、目が腫れていますが、解体作業がつらかったんでしょう」とお話しすると、臆することなく号泣。。。
「あそこで子供2人を育ててきたの。庭に花を植えたり、夏にはプールで水遊びをしたり、わたしの思い出が全部詰まっていたの。解体工事は覚悟してたけど、やっぱり見ると辛くて辛くて、昨日まで寝込んでて、今日やっと事務所に来たんです。」
私たちは日常 中古戸建 中古マンションの売買が多いですが、不動産売買というのは単にモノの売り買いではなく、住まい手の想いを引き継いでもらう事も大切だと思って仕事をしています。
以前にも書きましたが、掃除1つとっても「今まで家族を守ってもらってありがとう。次住まわれる方に大切に使ってもらうんよ」という想いを買い手様に伝えていくのです。
そうすることで、本当に気持ちの良い取引が今まで行って来れました。
1つのエピソードですが、ご参考にしてください。