神戸周辺 不動産売買百景(8) あの日の朝陽がまぶしかった
2021/02/01
任意売却 それは銀行によって若干違いはありますが、住宅ローンを3ケ月連続で滞納した場合、保証会社が銀行に残債を代わりに支払うことを代位弁済といいます。
保証会社が代位弁済したものの、その請求は所有者に行きます。
その場合、任意売却といって、売ってそのお金を補填してもらう仕組みです。
知り合いの業者様が任意売却の依頼を受け、私が買主を探す役割となりました。
通常の流通価格の7掛け位なので、すぐにお客様はつきました。
契約からローン承認も順調に進み、残すは引き渡しを待つのみ。
しかし、、、事件は引き渡し前日に起きたのです!
何と引き渡し前日にもかかわらず、一切の残置物が残ったままでした。
引き渡し前日に、業者様から連絡が入り、一緒に晩ご飯を食べ、ジャージに着替えてスタンバイ。しかし、、、待てど暮らせど売り主様は帰ってきません。
帰ってこられたのは深夜12時頃。そこから売主様 業者様 私の3人で家1軒分の残置物をトラックに運びだしました。
夜が明けて午前6時前後だったと思います。
朝陽が昇ってきた時刻に完了。
玄関鍵を掛けられ、鍵を業者様に渡された売主様。
その時、売主様が、お家に対して合掌をされたのです。
計り知れない無念さ。辛さ。色んなものが込み上げてこられたのはお察ししました。
あの時に見た朝陽は忘れることができません。
結局、家に帰り身支度を整え、フラフラの状態で業者様と銀行に行き、買主様から残金をいただいて、引き渡しをしたのが言うまでもありません。
いろんな方の人生模様にお付き合いしていくのも不動産業の仕事です。
ご参考にしてください。