神戸周辺 不動産売買百景(13) 一山なんぼ
2021/02/11
土地には利用目的によって、地目というもので分類されています。
家や工作物を建てられる地目は宅地。ライフラインが入っていない準宅地を雑種地。
田んぼは田。山は山林などなどがあります。
その中で市街化区域内の山は造成工事をしたら、宅地にすることが可能ですが、例えば山林の売買はどうやって値付けをするかというと、例えばそのあたりの坪単価が50万/1坪とすると
大体山林は2000円~3000円/1坪くらいです。
なぜ山林は安いのでしょう??それは造成工事を行う際に仮に巨大な岩が埋まっていて工事ができない。水が湧いてきた。等々掘ってみないとわからない状態があり、その都度その困難を克服していくのに、専用の重機をもって来たりとか、様々な手立てが必要となるからです。
また、昨今突発的豪雨によって土砂災害が起きることがニュースで度々放映されますが、
山林は基本的に「土砂災害警戒区域」に指定されていることが多く、よって「宅地造成等規制区域」に指定されます。
神戸市の網掛けは基本的に「宅地造成規制区域」に指定されています。
つまり、土砂が降ってきたときに耐えられるだけの擁壁工事を用いないといけませんが、これが神戸市の場合非常に厳しい基準があります。ということは造成工事に必要な「鉄筋やコンクリートの量と質」が問われてきます。
最近といっても4年ほど前から、コンクリートの金額が3倍くらいに値上がりしました。
要するに、山林を加工して宅地にしていくには莫大な費用が掛かります。
それをはじめに試算して、売却価格と比べて費用対効果が出るか否かという考え方をしていきますので、山林の売却は一見安く見えます。これが昔から言う二束三文という言葉につながります。
ご参考にしてください。